窓を開けて

入院中、私はずっと窓から外を見ていた。

 

窓を開いて冊子のある向こうの外。

 

なんか色々感じた。

 

制限のされた中で外を見ると、

 

 

外と中の違いなんてあるのかな?

と。感じて。

 

ジョギングする人々、

お散歩する人々。

 

荒野。

あ、こんなになってたんだ。

街は。

 

私はひたすら北の方角を眺めてた。

 

桜が咲ききったら、

退院する。

 

そう意地でも心に刻んだ。

 

 

 

一緒の部屋の人と外を眺めた。

過去の話をする人、

世界観から離れない人、

外を見るのが嫌な人。

『外を見ると、どうしても、この世のものとは、思えなくて。』

と、隣の人が言った。

 

それも分かる気がした。

 

たくさんの価値観や世界が混ざり合う中で、

自分には何が出来るのかと、

考えては浮かばない。

 

あの日の朝見た、

金のシャワーのような昼の太陽の光。

 

 

それだけはずっと信じたいと思う。f:id:eyesloveyou777136:20200419213911j:image

 

 

窓を開けて。